喫煙初心者あたふた日記②

これは全然ハードボイルドでもかっこよくもない、一人の喫煙者のしょぼい闘いの記録であるーーーー。

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やっとのことで手に入れた一箱のタバコと、100均のライターを握りしめ、ひとりベランダへと向かう。花粉とホコリアレルギーのため部屋干し派の私は、ベランダなんか滅多に使わない。最後に使ったのいつだろう？1年以上前かも…。ってちょっと待て、ホコリアレルギーのやつがたばこなんか吸って大丈夫か？？一瞬疑念がよぎるも、買っちゃったもんはしょうがない、勿体ないし、もう吸うしかない。そもそもアレルギーなんか気にしてたばこやめるやつは、はなっから吸うべきじゃないんだ。(とは言いつつもアレルギーはまじつらいので悪化したら即やめようと思ってた。けど、今のところタバコによって悪化したということはないです。)

というわけで、ええいっ、と腹を決め、裸足でベランダに出る。えっ、ここ、こんな感じだったんだ…。自分の家なのに、初めて来るみたいな新鮮な感覚。7階だから景色もまあまあいい。掃除とか全くしてないけど、それなりに綺麗だし。ちょっと苔生えてるくらいで。こんな身近に絶好の喫煙所があったなんて、ラッキー。

事前に「たばこの吸い方」みたいなYouTubeの動画を見て勉強していた。こういうチュートリアル動画、まじで助かる。大感謝。何かに挑戦しようと思った時、大体のことはインターネットに先人がHowtoを示してくれてるから、便利な時代だよね。

ということで早速、着火！火をたばこの先に触れさせながら、同時に少し吸うといいらしい……らしいのだけど……ううん、炎のどの辺に触れさせるのがベストなんだ？上の方？がっつり真ん中？吸う強さってどれくらいだ？あんま強く吸ってもむせちゃうよね？などなど、一瞬のうちにいろんな疑問や不安が頭の中を駆け巡る。あっ、なんか、煙が立ち上ってる、成功したっぽい…。けどよく見たら、たばこの下の方は焦げてて、上の方はちゃんと火がついてない。うわっ、バランス悪っ！気持ち悪い。平行に、均等に火がついてほしい。むずむずするのでもう一度、今度は上の方にも火をつけようとする…ああっ、上手くいかない！たばこの角度を調整しなきゃいけないのかな…？ううん、一本目はこれで妥協しよう。最初から上手くはいかないものだよね、何事も。

って、火を均等につけることに気をとらわれすぎてて、肝心の煙を吸うことを考えてなかった！むせるのが怖すぎて、咄嗟に息を吐き出す。(いわゆる「ふかし」だ。知ってるぞ、YouTubeで予習したからなっ！)すると、煙が口からもわっと出てくる。あれっ、結構それっぽいかも。これ、私、「たばこ吸ってる人」じゃん！当たり前なんだけど、ちょっとわくわくする。煙を口から吐き出すのって、ドラゴンにでもなったみたいで面白い。(感想ガキかよ。)

あと、フリスク食べた後みたいなメンソール感がスースーする。(後から知ったのだけど、このマルボロ・アイスブラストは、メンソール系タバコの中でもかなり強くメンソールが効いてる部類のものらしい。)チョコミント好きな私には、これはけっこう、イケる。たばこの味は正直分からんけど(タール数1mgだしね)、吸って吐くと、スースーして気持ちいいー。「呼吸してる」って実感する。呼吸って、普段は無意識にしてるけど、意識して深呼吸すると、なんだか神聖な気持ちになる。立ち上る煙の神秘的な雰囲気も相まって、なんだかちょっと、スピリチュアルな気分。これはかなり、セラピーって感じ。

ふかすだけじゃくて、「肺喫煙」なるものもやってみようと、煙を深めに吸い込んでみる。けど…うーん、これで合ってるのかなあ？肺に入ってるって感じは全然しない。YouTubeのチュートリアルでは、肺喫煙をすると、ふかし(口腔喫煙)に比べて吐いた煙が薄くなるので、それを目安にすればよいと言っていた。確かに煙はちょっと薄くなってる。ってことは、肺喫煙できてるのかな？あんまりやるとニコチン中毒になりそうで怖かったので、ふかし5割、肺喫煙5割くらいにとどめておいた。ビビりまくりである。

持ち方や持つ位置も、合っているかよく分からない。よく見る持ち方ーー人差し指と中指の間に挟む持ち方をしてみるけど、これ、人からどう見えるんだろう。ダサくないかな。とか気にする方がダサいか。ああ、鏡で確認してえ〜〜。

ってかもうすぐ火種が指に迫ってくる、地味に焦る。フィルター(たばこ葉が入ってる部分とフィルターの部分があることも、吸い始めるまでは知らなかった)ギリギリまで吸ってもいいのかな？じゃないと勿体ないよね？でも火傷しそう…。と思ったけど、意外とギリギリまで短く吸っても、そこまで熱くならなかった。

灰皿をまだ持っていなかったので、ベランダの手すりに適当に押しつけて火を消し、吸い殻は部屋に持ち帰ってごみ箱に直接捨てた。灰皿、買わなきゃなあ。

こうして、あたふたしまくりながら、記念すべき最初の一本を吸い終えた。たばこを一本吸うだけなのに、やってみないと分かんないことがたくさんあったなあ。私が細かいことを気にしすぎなだけかもしれないけど…。

でも一つ確かなことは…楽しかった！！火とか煙って、なんか惹かれてしまう。原始的な喜びとでも言うのだろうか？私の中の原始人が松明ぶん回して踊り出す。そんな感じ(どんな感じ？)。

かっこいい喫煙者には程遠いけれど、まあ、とりあえず自分が楽しければ、いいよね。

(初心者のあたふたはまだまだ続く！)